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2007/10/27

楽しみにしている連載

『信濃毎日新聞』で毎週土曜日に「風土と哲学 日本民衆思想の基底へ」と題した論説が掲載されているのですが、これが面白くて(興味深くて)毎回楽しみにしています。著者の内山節という人は、群馬県上野村在住の哲学者です。「哲学」という文字を目にしただけで敬遠している信毎読者もいるかもしれませんが、モッタイナイ(笑)。

農山村に生きてきた人々の信仰、自然との関わり方、共同体の中での暮らしの有り様・・・自分は、テレビや映画の時代劇などでよく目にする昔の農山村の、いかにも陰鬱で貧しく、過酷な暮らしぶりのシーンというものが、実は(農山村を知らない)都会人が勝手に作り上げたイメージではないかと疑っています。もちろん、飢饉や疫病などの際は想像を絶するような大変なこともあったでしょうが、古来よりずっとそういう状況が続いていたわけではないでしょう。普段の生活は、我々が今考えている以上に(物質的にも文化的にも)豊かで明るいものだったような気がして仕方がないんですよね〜。

年配者の苦労話は耳にする機会があっても、平穏無事に過ぎた暮らしぶりを聞く機会というのは滅多にないことかもしれません。後者についての聞き取りも当時の生活の有り様を明らかにするためには重要でしょうね。