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2007/09/19

大規模公共事業としての自衛隊海外派遣


17日発売の回顧録のなかで、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会議長がイラク戦争は石油が主な目的だったと指摘して話題になっていますが、それはそうでしょうね〜。自衛隊のイラク派遣も、アメリカがイラクで石油権益を獲得した際には、そのおこぼれにあずかろうというのが日本の狙いだったでしょう。石油の長期安定確保は日本の昔からの悲願ですから。

で、もうひとつ忘れてはいけないのが、(軍隊や)自衛隊を保持し、さらには海外に派遣するということは、多額の税金を使って関連企業に利潤を与えるという大規模公共事業としての側面です。

日本国内では、ダムや原発、新幹線、高速道路、国際空港の建設などは反発もありますし、新規に整備計画を立てようにもそろそろ頭打ちの感があるわけです。そこで、自衛隊の(恒久的な)海外派遣です。

国内で訓練するだけでも莫大な税金が必要とされているわけですが、これが海外派遣ともなると、艦船や航空機、車輛、武器の新規購入やメンテナンス、燃料や各種装備品の調達などなど多種多様な企業に税金をどっさりとバラまくチャンスが訪れることになります。逆に言えば、自衛隊の海外派遣で潤う企業がたくさんあるということです。

派遣される隊員の保険はどうなっているのでしょう? 戦地に行くわけですから当然、高い掛け金(税金ですよねぇ)。ですが、政府として一人の死者も出さないことを目標に掲げているわけですから、保険会社からすると掛け金丸儲けが約束されているみたいなもので、こんなオイシイ話は無いハズです。

そういえば、米軍への燃料補給活動に関してですが、補給する燃料はナント米国から購入したものだという話も。アメリカから買った燃料をアメリカ軍に無料で配っているわけです。この話が本当なら、どうせ常識ハズレの高い値段で買っているのでしょう。とことんアメリカに貢ぐ日本です。

サマーワへの自衛隊派遣が始まった時、派遣される隊員達と家族の別れのシーンというのが何度も報道されていましたね〜。現地に赴く隊員達の「イラク平和」への純粋な想いを、実は一番あざ笑い、金儲けの手段としか考えていないのが、日本の政府と自衛隊に群がる企業というサイテーの構図。政治家や役人達、企業のトップ連中は、あの見送りのシーンを笑みを浮かべながら観ていたのではないでしょうか。

自衛隊隊員達は、「海外派遣」の是非以前の問題として、自分達の生命や想いが金儲けの道具にされていることにどうして怒りの声をあげないのでしょう? また「海外派遣反対」を訴えるなら、どの企業が利益を得たのか(得ることになるのか)企業名をド〜ンと公表するのが一番だと思いますが、そういう政党もマスコミもありませんね〜。


  • 話はズレますが、例の「靖国問題」。旧日本軍によって多くの戦死者を出したハズの米国が沈黙を守っているのは何故なのでしょう? 本来ならば米国が一番激しく抗議活動を行っても不思議ではないですよねぇ。外交上のかけひきなのでしょうか。日米関係に何かあれば、この問題を持ち出してくるかもしれませんね。
  • 軍隊や自衛隊には、「雇用対策事業」という一面もあるでしょうね〜。もし突然解体なんてことになれば、失業者であふれかえることになります。逆に国内で失業者問題が深刻化した場合、軍隊や自衛隊が失業者の受け皿となって問題の沈静化を計ることができるわけですが、あまりに失業者が多ければ、受け入れ態勢拡充のために他国に戦争をしかけ、(犠牲者を出すことで)欠員補充を行い、失業対策へのくすぶる不満を解消しようとする政治的な動きが出てくるかもしれません。